2018-01-01から1年間の記事一覧

2018-12-27

すべての、私を救ってくれるかもしれなかった人たちから逃げて、安っぽい信仰に縋り、けれどもいつの間にか、それでもあの人より数年も長く生きてしまっている。 もう終わりと決めた年から2年が過ぎて、それでもなお。 あわせ鏡の中の私にそのすべての私に、…

2018-12-7

東京の季節感はよくわからなくて、あついと寒いを行ったり来たりしている。 昨日は寒い、今日は少しあつい。 もう少しでまた歳をひとつ重ねて、生き延びてしまうことになる。 本を出したり、ウェブでのライティングをしてみたり、実家のことに真剣に向き合っ…

2018-12-3

ここ数日急激に寒くなって、何をするにも身体が重くなってしまったような気がする。どこにだって行けるはずなのに、すっかり生きていくことが怖くて仕方がない私は部屋の隅でガタガタと震えている。 別に届いてほしい思いなんてない、伝えたいお話なんてなに…

2018-11-14

ああ、寒いな、すごくさむい。11月中旬ってこんなに寒かったっけ、冗談でしょう。 息をついて、吐いて、肺に入れる空気の冷たさに毒を吐く。11月4日に大切な、たった数人の友人の一人の、結婚式があった。 そこでスピーチをする機会を幸福にもいただい…

2018-09-20

雨の日が多い。 本を何冊かローテーションしながら読み進めている。 私が私のために生きようとしたとき、私はどのように生きるのかわからずにいる。そうかといっていま誰かのために生きているような自覚はなくて、限りなく私のためだけに生きているのだと思…

2018-09-09

徐々に秋は近づいてきているような、天気だけれど、相変わらず日焼け止めは必要だし、帽子だってかぶっている。 秋は夜からやってくる。 夏の終わりの、夏の夢を見た。 花の名前を数えて、遠くの国の、絵本の国の姫君たちを眺めてはその世界を夢想した。いく…

2018-09-03

お元気でしょうか、と文字を並べてみる。この言葉は、届くのかもしれないし届かないのかもしれない。届けようと思えば、住所だって知っているし、メールなんかを送ってもそれはやっぱり届くのだろうと思うのです。 お元気でしょうか、だんだん夏が好きなよう…

2018-08-28

これから先、運が良ければ、何十年と生きて、何十年分の世界を見て、価値観を構築して。 きっとそれは、時間をかければかけるほどに他人とかけ離れていく。たとえ起点が同じだとしても絶対に重なるのはその数瞬だけで、その先、どのようにあっても乖離は広が…

2018-08-16

物語を引き渡すためだけに生きている。

2018-08-13

夢を見た。 屋上の庭。 緩やかな色彩で、パステルよりも鮮明で、それと同じ名前の香水をまとって、その庭だけでは自由でいられた。 とても薄情だけれど、死んだ人のことなんてどうでもいい。それも知らない人ならなおさら。「とても薄情」という言い訳を付け…

2018-08-12

夏という季節から遠ざかっている。 星を見上げても、ここからではあまり見えないし、窓を開けるには暑すぎる。アイスはあまり得意ではないし、手持ち花火は禁止されている。職場までは駅直結で行けてしまうから地上に出る機会もない。 夏、夏というとどうだ…

2018-07-16

列島が暑い暑いと声高に言って、そのとおりまさにうだるような暑さで、少し顔を上げればアスファルトに陽炎が見える。 人の作ったものにたくさん触れた、思いのようなものにもたくさん触れた、ような気がする。こういうときに「触れる」という語彙を使うのは…

2018-06-24

全世界的にUFOの日。 『イリヤの空、UFOの夏』など読みながら、ぼんやりと一日を過ごす。この本を初めて読んだのは確か中学生の時で、その内容の重さに一度読んで、数年は読み返すのが怖くなってしまった本。 2回めに読んだのは確か高校に入ってからで、大学…

2018-06-08

ある夜、生けていた花が枯れた。花の名前はなんと言っただろうか。そんなことさえ忘れてしまった。紫陽花だったかもしれないし、百合だったかもしれない、もしかしたら牡丹かも。 枯れた花をどうしようかと思って、生き生きとしていた頃の花を思い出していた…

2018-5-12(名付けはいつも幸福のために)

名前を呼ばれることが苦手で、だから名前以外で呼んでもらうようにいつだって最初にお願いをする。 どうして苦手なのか、いつから苦手なのかわからない。気がつけば苦手だった。たぶん小学生の時とか、そのあたりから苦手になっていた。本当は、記憶を辿れば…

2018-4-21

先週末くらいに灯台に行く予感がして、その予感を成就させるために灯台に行った。神奈川の端の方へ、ディ・トリップ。ここ最近、うまく呼吸ができなくなっていた。この「呼吸」はもちろん比喩のことで、実際の私は、すこぶる健やかに、すーすーすーすーと今…

2018-4-17

小学生と、中学生の時、私は不登校になりたかった。その手段があることは知っていたけれど、その勇気はなかった。選択肢のなかにそれを入れることができなかったし、それを提案してくれる人もいなかった。自分もまた、自分が置かれた状況を人に伝えることを…

2018-3-27

今年はじめてコートを着ないで外に出かけた。 冬にいる間、永遠に春なんてこないと思っていた。べつに毎日がつらくて、とかそういうわけではなくて、生活から季節が遠ざかってしまって、暖かくなることがその想像がとても遠かった。 それでも、いつの間にか…

2018-2-14

とおく、水平線が光って見えた。瞬いて、瞬いて、そのたびに目を細めた。砂に描いた下手な絵は波が寄せるたびに消えて、それだけのことがどうしてか、面白い。 よく海に行くようになった。山あいの町で育ってきたから、海は遠いものだったけれど、いまはこん…

2018-1-30

お酒なんて、一滴だって飲めやしないのにワインを買った。1度そのワインセラーの前を通り過ぎて、スーパーに行って、わざわざ道を引き返して買ったのだから、衝動買いというよりも強い意思を持って買った、のだと思う。 家に帰ってコルクを開けるのに30分く…

2018-1-18

実用的なことの知識を身についけていく中で、たくさんの大切なことを手放してしまっているような気がして、ここ数日ひどく落ち込んでいた。 当然のように、きっと、そんなことはない。こうやって書くことで少しでもこぼれ落ちるものが減るように一秒一刻を惜…