2018-06-08

ある夜、生けていた花が枯れた。花の名前はなんと言っただろうか。そんなことさえ忘れてしまった。紫陽花だったかもしれないし、百合だったかもしれない、もしかしたら牡丹かも。

枯れた花をどうしようかと思って、生き生きとしていた頃の花を思い出していた。それはつい先日までのこと。

これは、誰からもらったのだっけ?自分で買ったのだっけ、それとも摘んできたものだっけ。

ずっと、ずっと考えている。書きたいことはなにか。口を開くのはなんのためか。なにを伝えたくて生きているのか。そういうことを考えながらマッチを擦って、花びら一枚一枚に火をつけていく。青黒く燃えて、瞬間、消える。

ねえ、私はあなたがとても好きですとかそういう話をしたいのかもしれない。なんのために書くかは全然わからないけれど、ああ、これはつまらないだろうなと書いていて思うのだけれど、でもねえ、とても書きたいの。書きたくて仕方がないの。燃やす花をなくしてしまったとしても、その炎が私の袖につと燃え広がってどうか、永遠に燃え続けますように。

枯れた花は、そうして、花びらから、萼から、茎も、そのようにして燃やした。窓を開けて真夜中の空気を部屋に呼び込んだら、もうすっかり花の気配は消えてしまった。

執着したいと思う。何事かを叶えられるように、私が私を放棄してしまわないように。そのように永遠に、あるはずのない永遠のように、そのように在ることができるように。