2015-01-01から1年間の記事一覧

無題

何度何度、何度、思い返したって、高校の弓道部が大好きだった。それだけを頑張った自分が大好きだった。一緒に頑張ってくれた仲間たちが、大好きだった。

2015-12-07

ここ最近、書きたいことはあってもそれを文字に起こすだけの体力がなくて、書きかけては何度も消して何度も消しては画面を閉じていた。 バースデーイブ。 最低で最悪な日々を、それでも前を向こうとしています。見えていた光はあまりにも頼りなくて、手を伸…

死んでもいいかと思う瞬間がある

山の影は黒く、浅葱の空と境を曖昧にする。サイドミラーには静かに燃える空が鮮やかに映っていた。川が流れる音が聞こえる。月がひっそりと笑い顔を出しはじめていた。 気がつけば、よるが来ようとしていた。いまこの瞬間だったら、死んでもいいかな、と思う…

あなたの言葉はきっと伝わるのだから

「(繰り返しは)たがいに抱く親愛や同意の情を再確認するための、とても優しいやり方です。時には単に、君の言葉が聞こえたよ、私たちいつもこうやって話してきたわよね、と確かめあうのが唯一の動機だったりします。」 「同じ話がだんだんへたになる」

松江

松江にいた。2階の窓から宍道湖を眺めていた。 遠くから太鼓の音が聞こえる。 「聞こえてきますね」 いつの間にか同じ部屋にいた女性に声をかけられる。そうですね、とかなんとか中途半端な返事をしながら、南中の日に照らされる湖面を眺める。湖畔では家族…

大丈夫、カミサマなんてどこにだっていないのだから

できれば何も見たくないのだけれど、いざそうしてみるとどこか寂しさを感じてしまったので、古いラジオのスイッチを入れる。 ザー……ザー……という雨音と言うには少しばかり無秩序なノイズの間から静かに遠く、男性の声が聞こえてくる。 日本語なのか、異国の…

つま先で地球儀を転がす

地球を転がすということをやってみたいので地球儀をどこかかしらから仕入れたい。私のところに来た地球はあわや無残にも自転速度もめちゃくちゃで、公転なんかしない。地軸の傾きも23.5°だったり明日には31.4°になっていたりする。その地球に安寧は訪れない…

2015-09-13

木曜日に体調を崩して、そのままずるずると治らないまま休みの終わりを迎える。 去年も一昨年も、同じ時期に心身の不調を日記に記していて毎年同じリズムで暮らしていることがすこし可笑しい。 そのリズムがandanteであればいいのにと思う。実際はprestoと言…

2015-09-06

あたしはときおり、一匹の猫のことを考える。だけどいまでは彼女のいる場所はわからないし、今遠くで暮らす人達の家では必要とされていなかったのかもしれない。 そこには数年前から新しい猫がやってきているし、そこに住む人は減っている。 ゆめを、みた。…

2015-09-01

汀の夜がやがてやってくる。雨とともに、あるいは、色づいた空気とともに。 やがて街を夜が覆い、ざわめきは遠のいていく。波が引いていくような秋の静けさだ。 「どうか何者もこの密やかな夜を侵しませんよう」呟く声はその形をとるまえに霧散して、静けさ…

2015-08-30

失ってから大切にしてしまうことがあるというのは身を持って知っている。 そのことを自覚していれば、失う前よりもう少し、大切にできるだろうか。

2015-08-24

覚えることはあまりに多い。 電話番号、住所、年に一度しか会わない人の顔、親しくない人の好み、仕事の手順、言葉の遣い方、気の遣い方、お酌の仕方に笑顔の作り方。 けれど、それはすぐに捨ててしまえる。そのための屑籠はとっくの昔に用意をしている。 捨…

2015-08-20(鏡を見るのが怖い)

鏡を見るのが怖いのは現実を見るのが怖いから。鏡を見なければ、自分と目が合うこともない。暗い部屋の中には光は差し込まず、瞼を閉じてもそこに光の温度を感じることはない。 震える呼吸は、震える視線は、相対することを拒むのに、震えている自覚が身を責…

2015-08-15

過去のことばかり。 自分のカメラは大学に入学して1年ほど経ったあとにアルバイトをしたお金を使ってドキドキしながら買った。何枚もの1万円札を渡すような買い物をしたのはそれが2回目だった。 本当は、買う必要なんてなかった。高校を卒業するときに父が持…

2015-08-07・08

「変わっていないよ」 笑いながら、泣きたいような思いで気がついたらそう言い返していた。曾祖母だ。90も半ばになっていよいよ寝ている時間が長くなり、ほとんど話せない状態になっている。今回も帰省したという挨拶にその部屋を訪ねた。 ほとんど目も開か…

2015-08-07

名古屋を経由して実家へ。 名古屋は相変わらずの暑さで、地面は灼けていた。喫茶店のおじさまは少しだけこざっぱりとした風貌になり、しかし口の悪さは相変わらずで安心。本を読んでるそばから「これ面白いぞ」とどんどん本を積んでいく。そんな積まれても読…

20150-08-02

大学2年生の時から、大学院を卒業するまでお世話になった方の「卒業式」。 本当は2月に、私(たち)と卒業のはずだったのに、ずるずると長引いてこの夏まで。これでお終いなんてまだ実感が無いけれど。 懐かしい(なんて、2月に会っているのだから、まだ最近…

2015-07-29

何もかもを諦めないし、手放さない。そういうのは、贅沢かな。贅沢なのだろうな。贅沢のためには対価が必要で、何もかもを手放さないための時間と、(精神的、肉体的)苦痛。 それを越えた先のものを夢見る。美しいと思っていたその先が醜いだけの世界だった…

2015-07-25

言葉はいつまでもどこまでも不自由で、思いだけが先に立ってはそのずっと後を遅れてついてくる。ついてきてくれる時はまだいいけれど、ずっと後ろでぽかんと立ち尽くしているときだってある。 だれにもほんとうのきもちなんて言わずに、一息に逝ってしまえた…

2015-07-24

椅子に座って天井を見上げると、おもっていたよりもそれはずっと高かった。部屋の内側からベランダに向けてゆるやかに傾斜がかかっている。 今の部屋で一番気に入っているところはオートロックでもなく、24時間ゴミ出しできることでもなく、この天井だろう。…

2015-07-23

だいじょうぶだよ、かあさん、大きくなったら、ぼくが世界中に連れていってあげるから。そして、母の手をとって踊る。音楽は、もちろん、ワルツだった。くるりと大きく輪をえがいて一回転するたびに、息子はひとつひとつ世界の都市の名を母親にささやくのだ…

2015-07-22

朝から雨。梅雨明け直後の雨はしとしとと。羽が舞うようにふわりと雨粒は舞う。電車はうみねこの声をあげる。 言葉を喪っていく。私は徐々に言葉を忘れ、ついには何も話すことができなくなる。もうすでに人が何を話しているか、理解できなくなっている。わか…

2015-07-20

矢も盾もたまらず、外へと飛び出した。外へ出たかった、というよりも内的に引きこもりたかったから。このままここへいたら狂ってしまうというような予感がしたから。朝だって早く起きることができたから、大原のマリアの心臓に行ってもよかった。会期は今日…

2015-07-16

「嵐が来る前に」 波がうねり、霧のように細かい飛沫が吹き付ける。場違いにもその光景を美しいと思ってしまった。途中、車を止めて荒れる海を目に焼き付ける。 写真にも収めようかと思ったけれど、それはやめた。残しておきたくない感情があるように、残し…

2015-07-12

いつの間にか夏の最中にいた。季節に鈍感になっていきたくなくて、昨日の夜はベランダに出て冷め切らない生ぬるい風を受けていた。暗いと思っていた夜空は明るくて、雲の動きがよく見えた。 大学1年の夏の夜、似たようなことをしていたことを思い出す。その…

2015-07-09

帰り道、電車に揺られながら「太陽が流れだしたような」夕焼けを眺めていた。 地平線のそのむこう、焼き払われた空は幻想的で、遠かった。どうしてこの風景を誰とも共有できないのだろう。すこし、悲しくなった。 ゆっくりとまばたきをする。シャッターを切…

2015-07-08

「どうだ、京都ぐらしは」 唐突に、ショートメールが届く。名古屋にいたとき、よく通っていたお店のマスターだ。 大変です。とても、とても。私の周りの人はいつも苦しんでばかりです。いつその糸が切れてしまうかわからないままで、懸命に生きているひとば…

2015-07-01

何年か前からずっと雪の最中にいるような気がしている。目線を上げてみればそこは真白な雪原で、雪は吹雪いたり、舞ったり、その時どきで表情を変える。 階段の窓から射す光が雪の日のようだった。空虚に響く靴音が雪の日のようだった。雪の日の光は眩い。雪…

2015-06-24

UFOの日。 そういえばずっと前、UFOを見たような気がする。あれは願望が見せた幻だったか、それともたしかにそこにあった現実だったのか、今となっては何一つ定かなことはないけれど。 家族の誰かも、強情にUFOはあるのだと言い張っていた。あるのかな、ある…

2015-06-19

ただただ寄せてくるだけの波の中にいるような一週間と少し。この週末の休みを挟んで、また来週から息をつくことさえままならない毎日が始まってしまう。 この週末につく息は、ふう、というものではなくて、もっと自然な、息継ぎをしていることさえ感じさせな…