2013-01-01から1年間の記事一覧

2013-12-24 06:17

偶然、ほんとうに偶然(だって目覚まし時計をかけ忘れたんだ)、早く目が覚めて、ほんとうに偶然に外へ歩き出す(だって外は寒いのにどうして出る気になれたの?)。 瞬間、呼吸を忘れた。 午前5時過ぎ、月は丁度南の空にでていて、東の空からは夏の星座たち…

2013-12-18 20:51

15日は松本へ。 行く道でみた山々はうっすら雪化粧。頬にはほんのり赤みが差して、 冬の中にある毅然とした美しさを思う。 急に決まった対談で、準備のために1週間ほどしか期間がなくいろいろと不安はあったのだけれど元々その方の著作を拝読していたので思…

2013-12-14 22:42

気がつけば一日、殆ど外に出ることもなく終えてしまった。 朝起きるとその寒さに布団から起き上がることが躊躇われ、それでも えいやっと起きて、土曜朝恒例のお掃除。 動いているうちに体が温まって、あれも、これも、と普段あまり手をつけない場所まで掃除…

2013-12-10 21:45

「私たちのために本当に幸福だつたと最後に言はれたら、その瞬間からその生き残ったものたちはこの世に幸福といふものがあるのだといふことを信づるような気になると見えますね」 堀辰雄の妻、矢野綾子氏の死の直前の言葉と、それを受け取った堀辰雄氏の心情…

2013-11-16 15:53

新幹線がでる数時間前に家を出た。 少し、町を歩いておきたかったから。 この県で一番おおきな駅で降りると、休日にも関わらず 人はまばらで、そのあまりの少なさに不安になったりもするのだけれど これからもどうにかこのままであって欲しいと願う自分がい…

2013-11-13 23:16

ガタン、がたん。 がたん、ガタン。 東北の電車の独特のリズムで揺れる。 この音に揺られると、懐かしさが蘇る。 電車の中で話す人は誰もいない。電車の音だけが響く。 自動改札なんてない、車掌さんが切符を回収する駅で降りて、 形ばかりの駅舎を抜ける。 …

2013-11-12 22:20

「もしもこの世界でやっていけないなら、自分で自分の世界を作ってしまうことよ」 大好きな本の一節。そのお話は、世界でやっていけない少女が自分の世界を見つけるまでのお話。 壊れて、壊されて、それでも自分が語るべき物語を見つけるお話。 随分と長い間…

2013-11-11 22:16

一度結んだ縁は失われることはないけれど、 遠退くことならあるのだろう。 「明後日まで冬の寒さが続くでしょう。」 ぼんやりした頭で聞いたこの言葉は果たして夢の中か、現実か。 早朝にベランダに出てみるとその寒さに身を竦めた。 夜の空気は澄んでいて、…

2013-11-08 17:39

朝目覚めると、何とか動けるほどになっていて、 ああ、今日は実験があったのだ、とよろよろとその身体を動かす。 少し進んではやすんで、少し進んではやすんで そんな歩調で一日を過ごす。 信号待ちのとき、隣りに立っていたご老人がふと屈んだかと思えば 手…

2013-11-08 00:49

早く寝ようとしたのだけれど、 咳が酷くて上手く眠れずにいる。 いつだって眠るのは下手だけれど、こんな時ばかりは少しそれが恨めしくも感じる。 それならば、と思ってPCを立ち上げてみると嬉しい置き手紙にこころが和らいだ。 市販の薬を飲むことができな…

2013-11-07 17:17

何となく、熱があるような気がして少し早めに家へ戻る。 やることの期限は大きくは年単位で定められているので、こういうときに時間の自由がきくのはとても助かる。 熱を測ると案の定微熱だった。 これからまた上がるのだろうか、下がるのだろうか。 そんな…

2013-11-04 18:11

学校の裏手に、 15メートルくらいの高さの塔がある。 もしかしたら25メートルくらいあるかもしれないけれど、つまりはそれくらいだ。 その塔は全体を明るい茶色で塗られていて、表面は波打つように凹凸があって、 それでいて窓がない。 いつか昇ってみたい。…

2013-11-02 22:12

喫茶店がある一帯で秋祭りがあるから、とマスターに誘われて喫茶店の臨時店員をしていた。 なんてことはない、注文を取って、自分で作れるものは作って、作れないものはマスターに放り投げて、運んで、お会計をする。それだけだ。 それ以外の時間はカウンタ…

2013-10-29 21:06

先を見れば果てしない道のりが広がっていて、引き返すことも、先に進むことも、いずれも目眩を起こしてしまいそうな場所に立っている。 それでも、先を想像して、それがずっと続くことを思えるようになった。 それが良いことなのか、当たり前のことなのか、…

2013-10-24 00:13

変わらないものはなくて、 それは町でも同じで。 何年かぶりに以前住んでいた場所を訪れると、住んでいた棟だけでなくその辺り一帯の団地が全て更地になっていた。 100メートルほどの道路は両側を高い白壁に囲まれて、どこか現実離れした光景だった。 今…

2013-10-11 22:35

森に住む動物たちは「にんげんはいいな、そんなに楽しそうに笑うんだもの」、と人が笑う姿をとても嬉しそうに眺めていました。 そんな動物に囲まれた少年は、また、笑います。 森からの帰り道、少年はお父さんにその話をしました。 「みんなね、僕が笑うとこ…

2013-09-26 22:29

あぁ、このまま空が落ちてきたら気持ちが良いだろうな、そんなことを考えてしまうほどに朝の空は淀みない碧で、暮れの空は藍で。ほんとうに空にこの身を沈めてしまえたらと思う。 いつも通学している道には彼岸花が花をつけ、目にも楽しい。 不思議と葉擦れ…

2013-09-21 22:37

数日の間、所用で札幌で過ごしていた。 札幌に行くのは2回目で、初めに訪れたのは幼稚園の頃だった。 一番古い、そして一番鮮明に覚えている家族旅行の記憶かもしれない。 9月の札幌はもう冬の香りがして、そっと心の中で笑っていた。 冬は、一番好きだ。冬…

2013-09-12 20:17

夏に撒いた暑さの種がふと花開いてしまったような一日で、今なお涼しくならない。 季節の振り子はおおよそ対称に振れること無く、気まぐれに大きく揺れてみたり小さく振れてみたり、自分の手の届くところにない。 秋はいつも記憶を手繰る季節だ。この季節を…

2013-09-03 20:43

午前中、手紙を送るため外に出るとほぼ同時くらいに日照り雨が降り始めた。 封筒も少し濡れてしまったが、それもまたこちらの様子を伝える一つのメッセージ なのかとも思う。 手紙を出しにいきながら、その帰り道に切手を買いに大学の郵便局に寄る。 今日発…

2013-08-29 22:15

「今、お店でブルースシンガーが唄い始めた聞きにおいで」 と何の前触れもなくいつも行っている喫茶店のマスターから連絡が来た。 ここ数日、盛り返した日中の暑さや、たくさんの不安ごとから体調が芳しくなかったので今回は遠慮しようかとも考えたけれど、…

2013-08-20 22:22

夕方、ようやく涼しい風が吹くようになった。 そろそろ外に出ようか、まだ暑いか、と躊躇っているうちに 日はすっかりと暮れてしまっていた。 日暮れの街にぽつりぽつりと明りが灯り始めて、ようやく散歩へと繰り出した。 いつもとは逆の方向へと歩いてみる…

2013-08-17 17:59

お茶の教室でご一緒している方から 「いろいろな人を家に招いておしゃべりをしたいと思っているのですが、いかがですか?」 とお誘いをいただき、足を運んでみることにした。 20代の私が最年少で、上は多分50歳くらいまで。 それぞれ、編集やデザイン、…

2013-08-14 19:59

こっそりと線香花火を買ってきた。 そうして、あとで一人でひっそりと庭で灯そうと思っていた。 夜になり、夕食を食べ終わり、だれもいなくなった頃を見計らって外へ出た。 すでにライターと蝋燭はポケットに忍ばせておいていた。 庭先で蝋燭に火を灯す。 花…

2013-08-11 23:46

久々に、東北の故郷にもどった。久々に地元の駅に着いた時に 時間は22時をまわっていて、ほんの少し霞がかっているようだった。 明りは少なく、文字通りの意味での自分の影の薄さに驚いた。 離れてまだ5年ほどなのにそんなことにさえ驚いてしまう自分に笑っ…

2013-08-08 22:33

夕暮れ時に吹いていた風は治まり、行き場をなくした暑い空気が身を包む。 これも、また夏の姿なのだろう。 夏の姿といえば、夕日を浴びて光る人たちの輪郭が美しかった。人の形をした光が私の前を歩くその光景はどこか現実離れしていて、一瞬の浮遊感を味わ…

2013-08-05 23:45

家へと帰る途中、息も出来ないほどの雨に降られた。 折りたたみの傘は携帯していたけれど、この雨でいろいろな思いが流されてくれないだろうかと、傘をさすこともなく濡れて帰ることにした。 真正面から受け止める雨は冷たく、痛く、すぐに視界を覆っていっ…

2013-08-01 19:26

八月の初めの朝は雨の音とともに目覚めた。 カーテンの隙間からこぼれる光が青みがかっていて美しかったことを薄ぼんやりとした頭で覚えていた。 雨が降っても、光は入ってくるのだ。そして時にはその光が美しいことだってある。 明日は、遠方から母が来る。…

2013-07-31 22:34

今日も暑かった。 それでも、夕暮れ時に吹いた風は心地よくて、お日様の光が吹き抜けたようだった。 ずっとずっと、夏は好きではない。それは残念ながら今でも変わっていなくて。 最初に、世界が2つに見えたのも夏だ。ふらっと倒れてしまったのも夏。 悔し…

2013-07-30 22:21

何処までが、僕の常識で。何処までがあなたの常識で。 常識と言う言葉は非常に厄介だ。 所属によって、常識は常に流動する。 思えばいつもいつも、それに戸惑っていた。 転校しては、そこには別の常識があり、進学してはまた別の常識、海外に行けばそこには…