2018-11-14

ああ、寒いな、すごくさむい。11月中旬ってこんなに寒かったっけ、冗談でしょう。

息をついて、吐いて、肺に入れる空気の冷たさに毒を吐く。11月4日に大切な、たった数人の友人の一人の、結婚式があった。

そこでスピーチをする機会を幸福にもいただいてしまったのだけれど、だから、何日間かずっとどんな思い出があったかを考えて思い出して、ひとつひとつ、唇にのぼらせてはそっと吹いてみる。

あんまりにもありすぎて、紙に書き起こして手紙にする。

本番に、でも、紙なんて見たくないなと思って、マイクの前に立つ。

一番近くの椅子では、はにかんだように笑っている人がいる。その顔を見たら考えてきたことなんて全部どうでもよくなってしまって、口を開くたびに涙が溢れそうになった。

どうしてだか、全然わからない。寂しいとか嬉しいとか、そういうのはあるけれど、それで泣く理由が自分でもわからない。

でも、笑い顔が穏やかで、嬉しかった、ほっとした、そして私のことをまぎれもなく友人だと思ってくれていることがわかって、それがきっと一番だ。

こんなときでも独りよがりでどうしようもないなあ、と思う。けれどもずっと不安なのだから仕方がない。

おめでとうと、誰よりも思う。そして私を好いてくれてありがとう。ありがとう。