2017-8-6(携帯電話を置いて外を歩く)

ここ数日、比較的涼しく過ごしやすかったものの昨日くらいからまた夏が盛り返し、かつて訪れたことのある土地では40度近くまで気温が上がったとも聞いた。

夏が嫌いで、動きが鈍くなり、エアコンをつければ体調を崩し、布団に入ろうにもどうにも暑い。外に出れば当然のごとく灼熱地獄でコンクリートは灼けている。何をするにもやる気が出ず、夏になるたびに人間として生きる活力をとめどなく失うことになる。東京などは特にコンクリートばかりで、日陰に入ったところで上から下から横から逃げ場を失うほどに熱される。

そうそうと夏は東京から去り涼しい場所で生きたほうがよっぽど幸せだと思う。

不思議なことによりにもよって一番暑い盛りである14時過ぎに外に出ようという気になった。一日中家にいてしまう事がなんとなく怖かったというそれだけの理由だった。携帯電話は置いていくことにした。もっていったところで連絡が来るわけでもなし、古本屋に入ってAmazonで価格比較やレビューを眺めてから買うなんて不毛なことをしてしまわない自信もない。

 

ベッドに携帯を放り投げて外へ出ると風が生ぬるい。特に目的もなく外に出てしまったものだから足が迷子になる。とりあえず、と馴染みの古本屋に向かう。いつもは入り口の扉が空いているのに今日はしまっている。「暑いですねー」とお店に入ると、「仕方がなく一日中エアコンを付けている」と苦笑い。経営が大変そう。

何冊か探している本があったので、その書名を伝え、入ってきたら気に留めてもらうようにお願いする。その場でも一応調べてもらい、ネットで在庫の状況も確認したがそもそも500部しか刷られていなく、出回ることはほぼないでしょうねえ。ですよねえ。

森で生活したいのでウォールデンの『森の生活』を購入。森での生活の参考にする。

またあてもなく店を出てしまい、灼熱の中に放り出される。小名木川沿いを歩くと日に焼けた家族が釣りなどをしている。道に置かれたコーラがおそらく熱されている。くろぐろと日焼けした肌が眩しく、誰の上にもちゃんと夏は来ているのかと再認識。

本当に目的も何もないので、これまであまりいかなかった道へと足を伸ばす。日陰をできるだけ辿るようにして。あまりにも暑いからか東京の割に人の気配があまりない。この地域の特性かもしれない。

1軒、また古本屋さんを見つけ何も考えずに入る。絵本が中心のラインナップであったようだが、先客とご店主が話をしていて、そのお客さんが出版社を立ち上げて云々という話をしていたのでそちらにばかり気が行ってしまい本が頭に入ってこない。ようやく1冊本を出して云々、それでそれで?

珈琲の焙煎の本を出していたらしいが、あまり長く聞いてしまっていてもなんとなく申し訳ないのでそこそこに店を出る。その店の道路を挟んで正面にカフェを見つける。ボードゲームを扱っているカフェのようで1人で入るには若干気が引けたものの暑いし喉が渇いたので入る。先客は囲碁を囲んでおり、盛り上がっている。昔覚えたけどもう打てないなあ。カフェオレを頼んで、出てくるのを待つ間、店で遊べるボードゲームを眺める。有名所からニッチなところまで一通り揃っていて楽しそう。長時間必要とするゲームは避けているのかな、という感じだった。

待っている間に親子連れが2組来て、ボードゲームで遊びはじめる。純粋にいいなあと思う。子どものときにいろいろなゲームに触れられるのは、羨ましい。一人っ子で親が相手をしてくれないとやりたくてもできないし、アナログゲームは当時からマイナージャンルだったから数少ない友人たちも誘いにくかった。

さっき買った文庫本を開いて、飲み物を飲んで、ゲームに盛り上がる声に耳を傾ける。小学生も中学生ももう夏休みなのか。

結局文章が頭に入ってこなくて、店を出て、家に戻る。案の定、着信も何もなく、やはり携帯電話など必要なかった。

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