2016-12-07

バースデーイブ。

誰よりもはやいお祝いは灯台の光。

目まぐるしく状況は移り変わって留まることを許してはくれない。塩一トンの読書もできないままに日々は過ぎて、手を伸ばす先からするりと言葉はこぼれ落ちて、いつかこの手には何もなくなってしまうのではないかと思うと本当に怖い。

いつしか、手をのばすことそれ自体を恐れてしまうようになるのではないかと思う。

 

夜の風が冷たくて、ストールに顔を埋める。今日は昨日よりもずっと寒い。寒くて、月が綺麗だ。欠けた月に、白い息がかかる。やがてそれは霞んでいく。

 

より善く生きること、それになりたいものになるために努力をすること。

このふたつをずっとずっと抱えていられるようにあること。だから、怖くても続けなくてはいけない、続けたい、と思う。私が私自身でいるために、これからもそうやって歳を重ねていけるように。

小走りで冬を駆ける。