2013-08-20 22:22

夕方、ようやく涼しい風が吹くようになった。 そろそろ外に出ようか、まだ暑いか、と躊躇っているうちに 日はすっかりと暮れてしまっていた。 日暮れの街にぽつりぽつりと明りが灯り始めて、ようやく散歩へと繰り出した。 いつもとは逆の方向へと歩いてみると、小さな公園が、そこに。 滑り台のようなものと、動物の椅子、そして鉄棒だけというこぢんまりとした 走り回れもしないような公園。 何の気もなく鉄棒に寄りかかって涼んでいると、ふいに逆上がりに挑戦して みたくなった。 小学校以来の挑戦だ。当時、私は2年生で社宅に添えられた鉄棒でよく練習していた。 その時はできたはずだった。何度も何度も練習して、ようやく。 今は。 1回目、失敗。身体と鉄棒が離れ過ぎていた。 2回目、失敗。勢いが足りなかった。 3回目、成功。ようやく小学生だった自分に追いついた。とても不格好な成功。 そんなことで少しだけ嬉しくなった自分が少しだけ愛おしく、 でもやっぱりどこか間抜けで。 今度は、もう少し格好良くまわれればいいな、ね。