2016-06-14
いのちを育てるということをしたくて、先月くらいから植物をそだてはじめている。ゆっくりと空に向かって風に吹かれて雨に打たれて、陽の光を浴びて伸びていく。ほんとうにゆっくりと、気がつかないくらいの速度で。季節の移り変わりよりずっとゆっくりと。
かすかな香りが美しい。
傍ら、私は、もっとはやく、はやくと、都会の喧騒を生きる。幾つかの選択でそれは確かに選ばれたものなのだから全うすべきだとは知っているけれど、はやく、はやくと外から内から要請があるたびにこれでいいのかと、瞬間、立ち止まる。
いいのだ、という。目の前にあることをなすことが最善であると。
よくない、という。この道は交差しないと。
わからない、という。だから今は五指を伸ばし続けろと。
わからないから、望み続けることにする。