2018-3-27

今年はじめてコートを着ないで外に出かけた。

冬にいる間、永遠に春なんてこないと思っていた。べつに毎日がつらくて、とかそういうわけではなくて、生活から季節が遠ざかってしまって、暖かくなることがその想像がとても遠かった。

それでも、いつの間にか、季節が巡った。気がつけば桜が咲いていて、朝に川の両岸を望むと春霞の中に花びらが揺れている。

 

もともとうまくはないのに、最近は余計にうまく人と話すことができない。口を開くことがひどく面倒で、思っていることの1/100も表現ができない。何を口に出してよくて、なにを口に出してはいけないのか、その判別がめっきりつかなくなってしまったから、その選別に頭を使うことが面倒という感じだ。そして元来話したがりでないから、自分がそういう状況になったときに黙ること、話さないことを選択する。それはとても自然なことのように思う。

べつに自分のなかで咀嚼しきれていないことに対して沈黙することが正しいとも思っていないから、思ったことは口に出す方がいろいろと円滑であるんだろうとは感じているんだけれど。

例えば春が来て、それが嬉しいことや、舞った花びらが肩をかすめたこと、いけていた桃がうまく咲かなかったこと、好きな詩の一節のこと、揺れるしゃぼん玉を割って遊んだことなんか、話したってどうにもならないでしょう。

でもきっと、どうにもならないことの積み重ねで毎日が構成されている以上、どうにもならない、どうでもいいようなことを表現することで進むことも多いのかもしれない。

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