2017-11-15

へえ、本を読むのがすきなんですね、ビジネス書とか?なんて聞かれて私は曖昧に笑う。あんまり読まないです、読めないんですと、言ったような気もする。

ここはそういう場所なのだということを思い知ったというか、知っていたことを目の前に突きつけられたような気がした。それは薄く細く鋭く、コンパスの針で手の甲を穿たれたような痛みだった。

反動のように毒にしかならないような本を帰り道に買い漁る。そんな思いで買ってもそこには空虚な思いしかないのに、それを知っているのに。

 

最近は寝ているときでさえ自我を手放すことができず、だからおおよそ24時間自分と一緒にいる。諦めてしまいたいのに、それでも私は私を手放すことができなくて、受け入れられない恐怖に怯えながら生きるしかない。

ひりついた恐ろしさと、一種の前向きな諦観によって今日もまた私は生かされる。

 

いつか、そして、『世界は蜜でみたされる