2016-08-24

在来線と、新幹線で1時間半ほど。軽井沢がこんなに近いとは知らなかった。何も予定は決めていない。ただ、どこかに行きたくて、まあ、できれば涼しいところがよくて、くらいの浅い思考で行き先を決めた。

駅を出ると深い霧に包まれていた。数m先さえよく見えなかった。雲場池では緑の輪郭がなくなり、色が霧に溶け出していた。遠くに光るランプは橙色だった。

ペンションに着くと雨が降ってきた。雨の音を聞いていると眠くなった。頭痛は、しなかった。パンフレット等を眺めながら次に行く場所を決めた。知らなかったけれど、歩いていける範囲に幾つか有名な場所や施設があったらしい。

高原教会へむかった。中庭がキャンドルの炎でいっぱいだった。地面は暗闇のままで、偽物の星空みたいだった。星と近すぎて、星座をたどることはできなかった。神父さんからランタンをもらって、ひかりを掲げながら中庭を散歩した。ほんのりと右手が暖かかった。

軽井沢の夜は夜で、暗かった。目を閉じれば虫の音だけが聞こえた。枕が合わなくて眠れなかったから、諦めてその音だけを聞いていた。次第に眠気が訪れた。浅い夢とぼんやりとした現実を繰り返していた。霧の中にいるみたいだと思った。それならば、私から流れだした色は何だったのだろう。