2016-08-04

何度もよみがえる光景がある。

それを思い出すたびに何度だって泣きたいような、悔しいような、やり遂げたような、つまりは、青春の後味みたいな、下から風が吹き上げるような、春の終わりの季節のような、落ち着かない気持ちになる。

多分それは解消されることは一生なくて、一生この気持ちはわたしから剥がれることはないのだと思う。忘れては、いけないのだとも。自分が何か変わろう、変えようとするときの地面となるのがその一瞬だからだ。

一通のメールを下書きに仕舞い込んだまま、出すことを躊躇っている。

これを出すことが前に進むことを意味するのか、煩わしい現実を加速させるだけなのか判断がついていないからだ。

たいてい、こういう場合踏み出したほうがいい結果が得られる。そのことは知っている。知っているから、おそらく近いうちにわたしはこのメールを出すのだろうと、そう思う。多分、明日は電車を途中下車するのだ。