2015-07-12

いつの間にか夏の最中にいた。季節に鈍感になっていきたくなくて、昨日の夜はベランダに出て冷め切らない生ぬるい風を受けていた。暗いと思っていた夜空は明るくて、雲の動きがよく見えた。

大学1年の夏の夜、似たようなことをしていたことを思い出す。そのときはベランダはなくて、だから少し離れた山道まで自転車で走っていった。自分の真横を通り過ぎて行くトラックが怖かった。それでも一心にあてもなくまっすぐ走った。

それからしばらくして農道へたどり着いた。自転車を道の脇に置いて、そこからは歩いた。そのうちに疲れてしまったから、道の真ん中に寝転んだ。周りには人ひとりいなかった。虫の声だけが空気を震わせていた。

揺れる空気を身体に取り込んで、すこし呼吸をとめて、それから吐き出した。

星が動くのをみていた。視界には宇宙が広がっていた。山のほうにひとつ、星が堕ちた。

背中にはいっぱい土がついた。

 

ほんのすこしだけ寂しくなって、帰った。

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