2015-07-08

「どうだ、京都ぐらしは」

 

唐突に、ショートメールが届く。名古屋にいたとき、よく通っていたお店のマスターだ。

 

大変です。とても、とても。私の周りの人はいつも苦しんでばかりです。いつその糸が切れてしまうかわからないままで、懸命に生きているひとばかりが近くにいます。ぼくは、どうにかその人たちにとって救いになりたいし、できればそうすることでぼくも救われたい。けれどもこの場所は遠すぎます。言葉だって、まっすぐには届かない。泣いていたってその声は聞こえない。

この場所には望んできたけれど、一気に状況が変わってしまった。ここでやり遂げなければいけないことは確かにあるけれど、できればもう少し、大変な人たちの近くにいてあげたい。

ちがいますね、こちらでの暮らしですよね。

毎日、夕飯を作っています。お弁当だって。偉いでしょう。褒めてください。仲の良い人も何人かできました。やっぱりあなたのような人です。好きなお店もできました。珈琲の香りをいつだって思い出せます。

ああ、けれども。あなたが一杯一杯作ってくれるチャイをまた味わいたくなりました。あなたの住むアパートのクリエイターたちは相変わらず弱い心のまま、それでも生きているのだろうと思います。そんな彼らの作品が好きでした。あの場所にいた時にちゃんと伝えられたかな。

 

全部、消してひとこと、「悪くないよ」と返事をする。