2015-05-21

恙無く、あるいは恙無いふりをして、日常は過ぎてゆく。

一日は短く、一週間は長い。息継ぎの許されない大海を泳ぐことを強要され、エラはまだ持てずにいる。

久しぶりに、そして初めての、お茶のお稽古に向かう。いろいろなことを笑ってごまかして、そのたびに、違うでしょう、違うでしょうと笑っていない自分がいる。お世辞も言えないし、嘘だってつかないが(それは言霊を信じて、その恐ろしさを知っているから)、表情はどうしてか嘘をつく。

笑いたくない。確かにそうしなければこれまで生き延びることは難しかったけれど、いつまでもそれに頼っていたくない。そのうち何もかもを見透かされ、追い込まれるのだから。

炭が弾けて、深い紅に燃えた灰が舞う。身を罰するように、火を避けずにその熱に灼かれる。