2013-11-08 17:39

朝目覚めると、何とか動けるほどになっていて、 ああ、今日は実験があったのだ、とよろよろとその身体を動かす。 少し進んではやすんで、少し進んではやすんで そんな歩調で一日を過ごす。 信号待ちのとき、隣りに立っていたご老人がふと屈んだかと思えば 手のひらほどの大きさの黄葉を拾ってそれを信号が変わるまでの時間、 じぃっと眺めていた。 信号が変わって、その葉を置いていこうか、持っていこうか、 何度か悩むような仕草をしていたけれど、 どうやら連れて行くことに決めたようだった。 僕はどうしてだか目が離せなくて、 ご老人が歩き始めるまで葉の行方を目で追っていた。 連れて行く姿を見て意味もなく、あぁよかった、と、そう、思った。 家路を先導するように飛行機雲が空を走っていて それを追いかけるように、あるいた。 追いつけるはずもないのに、追いつけるかもしれないと、 期待ともつかない期待を感じながら、あるいた。 飛行機雲は光りながら尾を引いて、彗星の軌跡のようだ。 南の空には満ちはじめの月が輝く。

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