2013-11-07 17:17

何となく、熱があるような気がして少し早めに家へ戻る。 やることの期限は大きくは年単位で定められているので、こういうときに時間の自由がきくのはとても助かる。 熱を測ると案の定微熱だった。 これからまた上がるのだろうか、下がるのだろうか。 そんなことを考えながら食料や飲み物なんかの残りを確認する。 そういえばこの間、具合が悪くなる兆候を感じて、お粥とスープを買い足したのだった。 ひとりで暮らしていて、ひとりで具合が悪くなることにもだいぶ慣れた。 いいことなのか、悪いことなのかはわからないけれど。 部屋を決める時も、病院の場所やスーパーの場所は真っ先に気にするようになった。 どうか、あまり悪くならないで欲しいと思う。 誰かにいて欲しいと思ったりもするけれど、 そんなものは気のせいだと思う自分もいる。 いる、というよりも創ったという方が正しいのかもしれない。 そうでもしないと、大丈夫だよ、と言い聞かせないと切れてしまう糸は 不器用な私には上手く結び治せない。 「結ぼうか?」 と声をかけられても 「要らない」 とその手を払いのけることさえしてしまうかもしれない。 子どものままだ。 大丈夫、大丈夫、だいじょうぶ、と今回もまた自分に言い聞かせる。 燃える空の上には月が薄く笑っている。