2022-12-07

日常を翻訳して言葉に落とし込むような作業をしていると、自然とうまく訳すことができなくて言葉に詰まるようなことが幾度となくある。その瞬間はもどかしくはあるものの、楽しいものだと思う。思考を挟まずに出てくる言葉ではなく、いくつかの可能性を浮か…

2021-12-07

実益のあること、実学的なことから距離を置かなければ飲み込まれてしまう。そんなことを常に念じ続けなければ精神性を保っていられなくなってどれだけの時間が経っただろうか。 5年とか6年とか、それくらいだろうか。ずっと抗い続けているような心地だ。私の…

2020-12-07

人間を2分法で分けて行ったとして、<私>というものが明確に規定されるまでに何回分ける必要があるのだろうかと考える。ただちに2つのカテゴリーに分けて考えるということだ。ほとんど意味のあることではない、単なる思考の遊びだ。 というようなことをやっ…

2020-10-29

ずっとヘラヘラして生きていきたい、とそう思っている。そう書くと、まるで今はヘラヘラしていなくて、だからこそ願っているかのように思われてしまいそうだけれど、そんなことはない。 そんなことはなくて、今もそれなりに十分にヘラヘラしながら、つまりは…

2020-6-11

仕事柄、Facebookをつかったやり取りが発生することがある。個人的にFacebookは全く好きではないので、その画面を開くときに少しのためらいと、深いため息が伴うことになる。数年周期で人間関係が移り変わる私にとって、その堆積たるFBは目をそらしたいよう…

2019-12-07

忘れてもいいか、とそう思って過ごした1年。結局、忘れられずに時間だけが過ぎ去った。諦めるでもなく、先に進めるでもなく、なにを決めるでもなく、停滞だけしてしまったような、指にトゲが刺さったままそれを気にしないふりをして暮らすような居心地の悪さ…

2019-09-01

森美術館でやっている塩田千春展を見に行こうかと、ずっと思っているけれどTwitterなどで検索してみるとあまりにも人が多そうで、尻込みしてしまう。 平日にどこか休みをとって行くことにして、ondoでやっているという中村隆さんの展示を見に行くことにする…

2019-08-19

生きなきゃという瞬間と、生きていたいという瞬間と、それから頑張らなきゃという瞬間と、頑張れないという瞬間と、そういった誰にでもある感情の小さな起伏を浴びながらぼんやりと生きている。 いつの間にか、誰かに手紙を書く余裕や、床をきれいに磨くよう…

2019-07-23

私が最も愛する小説はジャネット・ウィンターソンの『灯台守の話』、私が最も愛する詩はエミリー・ブロンテの『The Old Stoic』。 私は、私の生きる指針になる言葉を書きたい。そうしなければ、あまりにも寄る辺なくて、いつかの遠くに縋ることしかできない…

2019-07-16

『三体』(早川書房)も『掃除婦のための手引き書』(講談社)も面白い。連休は本を買って本を読んで、それからTABFにも少し顔を出して、それで終わった。そういえば『光点』もよかったし、『藁の王』もよかった。 いろいろなものがよくて、言葉をぜんぶぜん…

2019-07-11

今月に入ってからずっと体調を崩して、寝込んでいたりした。外はずっと雨で、涼しくて、湿度が高い。道路を行き交う車の音と、登下校をする子どもたちの声だけがよく聞こえた。 そういえば、「ノストラダムスの大予言」のその滅亡の予言のときから20年も経と…

2019-06-17

「なにか楽しいことはないの」と言われたときに「ないですね」と斜に構えるでもなく、心からそのように言ってしまえることが悲しくて、それでは一体どの状態を楽しいと言えるのかそんなこともわからない。 「何かを書いているときは?」自傷行為のようなもの…

2019-05-27

暑い日。3,4日連続で30度を超える陽気が続いて、春の気分でいたから驚いてしまった。慌ててエアコンを付けて、温度管理が難しいことを思い出した。 名古屋にいたときに、手紙のやり取りをしていた人がいた。そのことを帰り道に不意に思い出した。思い出した…

2019-05-07

物語を書くということは自傷行為の一種のようだと思う。何かを書くということは、大体流れている血を文字にして写すようなもので、その傷口がふさがって、忘れてしまわないように、えぐっては文字を引きずり出す。 本当はこんなことをして書く必要なんてない…

2019-04-18

ずっと考えていること。 きっと生まれてこないことが最良で、ただそれはもう叶わないから、だからせめて、生きているのならば善きものになりたい。善きものになれないのであれば早々に死んでしまいたい。 綱渡りだ。少し踏み外せば、まっさかさまで終わりは…

2019-04-07

今日の早朝に、曾祖母が亡くなった。もう100も近かったのでおそらく一番安らかな死の形で亡くなった。 だから、良かったのだと思う。施設から病院に運ばれていたときは、もう意識が朦朧としていたという。そのとき、曾祖母がどのようなことを思っていたのか…

2019-03-26

言葉がとても苦しい。言葉をなくして旋律や絵にその全てを預けてしまえればいいのに、と思う時がある。けれども、私はどれでもない、言葉で伝え続けることを選んだ。だから向き合うことが絶対的に必要なのです。 私は、千言を用いて真実を伝える必要はない、…

2019-3-10

最近、雨が多くて、雨が降るたびにひどい頭痛に襲われている。タイヤが水を切る音ばかりが家に響いて、寄せては返す波、というにはいささか荒々しい。 高い場所に行きたくて、家の近所のマンションやビルの屋上にのぼる階段を探す。流石にセキュリティがしっ…

2019-1-24

実家は近々人がいなくなるような気がしていて、そうしたらあの無駄に広い家がすっかりと寂しくなってしまう。 今ですら、10部屋もあって住んでいるのは2人だけなのに。きっとあと数年とかでだあれもいなくなって、暖かい部屋はなくなってゆく。 そうなる前に…

2019-1-11~12

名古屋へ。 なんとなく、でも確かな意思を持って急遽決めた旅で、それは旅というよりも巡礼に近いものがあるかもしれない。 かつて大好きだった人たちで今もなお大好きな人たちのもとへ。時間の連続性が感じられない不思議な感覚だ。働いていた昨日までの自…

2018-12-27

すべての、私を救ってくれるかもしれなかった人たちから逃げて、安っぽい信仰に縋り、けれどもいつの間にか、それでもあの人より数年も長く生きてしまっている。 もう終わりと決めた年から2年が過ぎて、それでもなお。 あわせ鏡の中の私にそのすべての私に、…

2018-12-7

東京の季節感はよくわからなくて、あついと寒いを行ったり来たりしている。 昨日は寒い、今日は少しあつい。 もう少しでまた歳をひとつ重ねて、生き延びてしまうことになる。 本を出したり、ウェブでのライティングをしてみたり、実家のことに真剣に向き合っ…

2018-12-3

ここ数日急激に寒くなって、何をするにも身体が重くなってしまったような気がする。どこにだって行けるはずなのに、すっかり生きていくことが怖くて仕方がない私は部屋の隅でガタガタと震えている。 別に届いてほしい思いなんてない、伝えたいお話なんてなに…

2018-11-14

ああ、寒いな、すごくさむい。11月中旬ってこんなに寒かったっけ、冗談でしょう。 息をついて、吐いて、肺に入れる空気の冷たさに毒を吐く。11月4日に大切な、たった数人の友人の一人の、結婚式があった。 そこでスピーチをする機会を幸福にもいただい…

2018-09-20

雨の日が多い。 本を何冊かローテーションしながら読み進めている。 私が私のために生きようとしたとき、私はどのように生きるのかわからずにいる。そうかといっていま誰かのために生きているような自覚はなくて、限りなく私のためだけに生きているのだと思…

2018-09-09

徐々に秋は近づいてきているような、天気だけれど、相変わらず日焼け止めは必要だし、帽子だってかぶっている。 秋は夜からやってくる。 夏の終わりの、夏の夢を見た。 花の名前を数えて、遠くの国の、絵本の国の姫君たちを眺めてはその世界を夢想した。いく…

2018-09-03

お元気でしょうか、と文字を並べてみる。この言葉は、届くのかもしれないし届かないのかもしれない。届けようと思えば、住所だって知っているし、メールなんかを送ってもそれはやっぱり届くのだろうと思うのです。 お元気でしょうか、だんだん夏が好きなよう…

2018-08-28

これから先、運が良ければ、何十年と生きて、何十年分の世界を見て、価値観を構築して。 きっとそれは、時間をかければかけるほどに他人とかけ離れていく。たとえ起点が同じだとしても絶対に重なるのはその数瞬だけで、その先、どのようにあっても乖離は広が…

2018-08-16

物語を引き渡すためだけに生きている。

2018-08-13

夢を見た。 屋上の庭。 緩やかな色彩で、パステルよりも鮮明で、それと同じ名前の香水をまとって、その庭だけでは自由でいられた。 とても薄情だけれど、死んだ人のことなんてどうでもいい。それも知らない人ならなおさら。「とても薄情」という言い訳を付け…