2018-12-7

東京の季節感はよくわからなくて、あついと寒いを行ったり来たりしている。 昨日は寒い、今日は少しあつい。 もう少しでまた歳をひとつ重ねて、生き延びてしまうことになる。 本を出したり、ウェブでのライティングをしてみたり、実家のことに真剣に向き合っ…

2018-12-3

ここ数日急激に寒くなって、何をするにも身体が重くなってしまったような気がする。どこにだって行けるはずなのに、すっかり生きていくことが怖くて仕方がない私は部屋の隅でガタガタと震えている。 別に届いてほしい思いなんてない、伝えたいお話なんてなに…

2018-11-14

ああ、寒いな、すごくさむい。11月中旬ってこんなに寒かったっけ、冗談でしょう。 息をついて、吐いて、肺に入れる空気の冷たさに毒を吐く。11月4日に大切な、たった数人の友人の一人の、結婚式があった。 そこでスピーチをする機会を幸福にもいただい…

2018-09-20

雨の日が多い。 本を何冊かローテーションしながら読み進めている。 私が私のために生きようとしたとき、私はどのように生きるのかわからずにいる。そうかといっていま誰かのために生きているような自覚はなくて、限りなく私のためだけに生きているのだと思…

2018-09-09

徐々に秋は近づいてきているような、天気だけれど、相変わらず日焼け止めは必要だし、帽子だってかぶっている。 秋は夜からやってくる。 夏の終わりの、夏の夢を見た。 花の名前を数えて、遠くの国の、絵本の国の姫君たちを眺めてはその世界を夢想した。いく…

2018-09-03

お元気でしょうか、と文字を並べてみる。この言葉は、届くのかもしれないし届かないのかもしれない。届けようと思えば、住所だって知っているし、メールなんかを送ってもそれはやっぱり届くのだろうと思うのです。 お元気でしょうか、だんだん夏が好きなよう…

2018-08-28

これから先、運が良ければ、何十年と生きて、何十年分の世界を見て、価値観を構築して。 きっとそれは、時間をかければかけるほどに他人とかけ離れていく。たとえ起点が同じだとしても絶対に重なるのはその数瞬だけで、その先、どのようにあっても乖離は広が…

2018-08-16

物語を引き渡すためだけに生きている。

2018-08-13

夢を見た。 屋上の庭。 緩やかな色彩で、パステルよりも鮮明で、それと同じ名前の香水をまとって、その庭だけでは自由でいられた。 とても薄情だけれど、死んだ人のことなんてどうでもいい。それも知らない人ならなおさら。「とても薄情」という言い訳を付け…

2018-08-12

夏という季節から遠ざかっている。 星を見上げても、ここからではあまり見えないし、窓を開けるには暑すぎる。アイスはあまり得意ではないし、手持ち花火は禁止されている。職場までは駅直結で行けてしまうから地上に出る機会もない。 夏、夏というとどうだ…

2018-07-16

列島が暑い暑いと声高に言って、そのとおりまさにうだるような暑さで、少し顔を上げればアスファルトに陽炎が見える。 人の作ったものにたくさん触れた、思いのようなものにもたくさん触れた、ような気がする。こういうときに「触れる」という語彙を使うのは…

2018-06-24

全世界的にUFOの日。 『イリヤの空、UFOの夏』など読みながら、ぼんやりと一日を過ごす。この本を初めて読んだのは確か中学生の時で、その内容の重さに一度読んで、数年は読み返すのが怖くなってしまった本。 2回めに読んだのは確か高校に入ってからで、大学…

2018-06-08

ある夜、生けていた花が枯れた。花の名前はなんと言っただろうか。そんなことさえ忘れてしまった。紫陽花だったかもしれないし、百合だったかもしれない、もしかしたら牡丹かも。 枯れた花をどうしようかと思って、生き生きとしていた頃の花を思い出していた…

2018-5-12(名付けはいつも幸福のために)

名前を呼ばれることが苦手で、だから名前以外で呼んでもらうようにいつだって最初にお願いをする。 どうして苦手なのか、いつから苦手なのかわからない。気がつけば苦手だった。たぶん小学生の時とか、そのあたりから苦手になっていた。本当は、記憶を辿れば…

2018-4-21

先週末くらいに灯台に行く予感がして、その予感を成就させるために灯台に行った。神奈川の端の方へ、ディ・トリップ。ここ最近、うまく呼吸ができなくなっていた。この「呼吸」はもちろん比喩のことで、実際の私は、すこぶる健やかに、すーすーすーすーと今…

2018-4-17

小学生と、中学生の時、私は不登校になりたかった。その手段があることは知っていたけれど、その勇気はなかった。選択肢のなかにそれを入れることができなかったし、それを提案してくれる人もいなかった。自分もまた、自分が置かれた状況を人に伝えることを…

2018-3-27

今年はじめてコートを着ないで外に出かけた。 冬にいる間、永遠に春なんてこないと思っていた。べつに毎日がつらくて、とかそういうわけではなくて、生活から季節が遠ざかってしまって、暖かくなることがその想像がとても遠かった。 それでも、いつの間にか…

2018-2-14

とおく、水平線が光って見えた。瞬いて、瞬いて、そのたびに目を細めた。砂に描いた下手な絵は波が寄せるたびに消えて、それだけのことがどうしてか、面白い。 よく海に行くようになった。山あいの町で育ってきたから、海は遠いものだったけれど、いまはこん…

2018-1-30

お酒なんて、一滴だって飲めやしないのにワインを買った。1度そのワインセラーの前を通り過ぎて、スーパーに行って、わざわざ道を引き返して買ったのだから、衝動買いというよりも強い意思を持って買った、のだと思う。 家に帰ってコルクを開けるのに30分く…

2018-1-18

実用的なことの知識を身についけていく中で、たくさんの大切なことを手放してしまっているような気がして、ここ数日ひどく落ち込んでいた。 当然のように、きっと、そんなことはない。こうやって書くことで少しでもこぼれ落ちるものが減るように一秒一刻を惜…

2017-12-7

バースデーイブ。 夜を超える前に、朝を迎える前にとこの日はいつも日記をつけようとしている。 世界と繋がりたくて、それを自分の力でなんとかしてみたくて、もがいて、もがくだけで終わった年だったように思う。自分がいる場所だけが変わって、弱さや至ら…

2017-11-15

へえ、本を読むのがすきなんですね、ビジネス書とか?なんて聞かれて私は曖昧に笑う。あんまり読まないです、読めないんですと、言ったような気もする。 ここはそういう場所なのだということを思い知ったというか、知っていたことを目の前に突きつけられたよ…

2017-10-11(言葉による存在許容)

タイに行った。タイに行くにあたって「なんでタイ?」と10,000回は聞かれて10,000回は「なんとなく」って答えた。気の利いたこととは言えない。何となくというのは本当で、ほんとうになんとなくなのだ。ずっと昔に私の家族が住んでいたことがあるとか、そう…

2017-8-31

夕暮れ時、空はまだ赤くなくて、白に近いような青だった。涼しい風が吹いていて、建物と建物の間、銭湯の煙突の先には月がでていた。半分と少しの月。夏の終わりの歌をくちずさみながら、歩いてみる。手は空気を指揮するようにゆれる。楽しい方はあっちかな…

2017-8-16

とぎれ、とぎれの、記憶を思い出したいのに、夏の風がひとつ、吹くたびにわすれていってしまうよな、そんな不安にかられる。朝も、夕も、季節も関係なくすすむ時間の中で、覚えている記憶の断片だけをなぞりながら夜を過ごす。指を一つひとつ折りながら、あ…

2017-8-9

上京してよかったなあ、と思ったことがひとつあって 新宿でレイトショーを見て、そうしたらもう終電とかも終わっちゃっていて だから映画を見たふわふわした頭で、ゆっくり30分くらいかけて家まで歩くんです。 それが楽しい。もう本当に、最高に。

2017-8-8

トリエステ、という響きが特別なものになったのは5年ほど前だっただろうか。教育実習に向かう、開けた野の中を走る電車の先頭車両、その運転席に一番近い場所に立って須賀敦子の『トリエステの坂道』を読んでいた。 その頃、私は日本に帰国したばかりで、日…

2017-8-6(携帯電話を置いて外を歩く)

ここ数日、比較的涼しく過ごしやすかったものの昨日くらいからまた夏が盛り返し、かつて訪れたことのある土地では40度近くまで気温が上がったとも聞いた。 夏が嫌いで、動きが鈍くなり、エアコンをつければ体調を崩し、布団に入ろうにもどうにも暑い。外に出…

2017-8-4

何年ものあいだ、ノアには物が、いろんな物が見えた。幻覚が見え、起きているあいだも夢を見た。いまでは、語るに足るようなものが見えるとしても、たいていの人と同じで眠っているあいだに見るだけだが、前は長年、はっきり目ざめているあいだにいろいろ興…

2017-7-27(人間の(あなたの)ことだけを考えていたい)

生きることの才能がほとほと欠如していて、道もうまく歩けなければ、空気を読みすぎては頬の筋肉を痙攣させて、手は震え、そうして夜一人になっては自己嫌悪が募るばかりだ。 「何お話でしょう?」彼女は尋ねた。「運命について」彼女は眉間に小さなしわを寄…